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光も影も


by kyoko_de_la_paz
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封印解除&解散公演

第三舞台 封印解除&解散公演
『深呼吸する惑星』
作・演出 鴻上尚史
出演   筧利夫 長野里美 小須田康人 山下裕子 筒井真理子 高橋一生 大高洋夫
KAAT 神奈川芸術劇場

観られないと諦めかけていた公演を見届けることができました。ありがとう、うさ!



私にとって、第三舞台は「大人の劇団」でした。
小劇団ブームの終盤(というか、どこからがブームだったのかよくわかないのが正直なところ)から、劇場に通い始めた私にとって、第三舞台はちょっと敷居が高かった。鴻上さんのメッセージは高校生の私には難しかったし、豪速球の台詞に追いつけなかったし、何よりもチケットが取れなかった記憶がある。私にとって、第三舞台と遊眠社は、ビデオで観た印象の方が多い劇団だったりする。その分、ロンドン公演の映像なんて、今でも脳裏に焼きついたりするんだけど。

10年ぶりに観た第三舞台は、やっぱり第三舞台だった。そして、そこに追いついている自分を思って、ちょっと誇らしく思えた。過去を振り返るだけ生きて来た自分の時間を登場人物に重ね合わせることができることも、鴻上さんのメッセージを受け止めて考えることが出来る事も、懐かしいと長野さんの着ぐるみを笑えることも、客席に座っていて、自分に過ぎた時間を誇らしく思えた。
だからこそ、劇団という枠を解散してしまうのは、もったいないとも思う。最近、面白い芝居はたくさんあるけれど、劇団として魅力を感じる芝居が少ないんだもの。寂しいです。第三舞台だからこそ、どんな時代でもメッセージを舞台の上から投げてくれると思うんだけどな。でも、同時に、解散するというのも、“らしい”のかもしれない。きっちり、封印解除をしてからというのも、“らしい”です。第三舞台という名前の由来を守って、第二舞台にいる私達観客を大切にしてくれたんだなと思うから。
これからも、客席に座るとき、私は第二舞台にいることを忘れずにいます。それこそが、演劇を生み出す力になると信じて、“んじゃ”です。
by kyoko_de_la_paz | 2011-12-30 20:38 | play