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ろくでもない男

『ろくでなし啄木』
作・演出 三谷幸喜
出演 藤原竜也 中村勘太郎 吹石一恵
天王洲銀河劇場

久しぶりの三谷作品。心の底から堪能いたしました。
芝居って、本当に面白い。凄い。(先週のダメージから回復した!)



台本、演出、役者、三つ揃えば、舞台の上には無限の世界が広がる。
三人の役者のアンサンブルの絶妙さ。三谷さんが当て書きした本と演出。もう、最高でした。

物語は、三谷作品なのにコメディではない。三谷さん曰く「エロティック・サスペンス」。役者の言葉と体は、三谷さんの本に命を吹き込んで、全ての人間の感情を表現して、客席に届ける。三人の芝居は、圧巻でした。
竜也の一(=啄木)は、本当にろくでもない男。最悪な男。でも、それでも表現することに苦しみ悩む天才の姿が、生々しく、痛々しく、心を掴まれる。独白の場面は、一緒に心が引き裂かれるような思いでした。全く一切共感はできないのに、引き込まれるという不思議さ。さすが、としか言えないです。もう。
勘太郎くんのテツさん。全身を使って、台詞を語る。歌舞伎役者であることを、最高の武器にして、三谷さんの台詞を表現する。あれだけ大きい芝居をするのに、一瞬で繊細な心理描写の芝居をに転じる。あの芝居の奥行き、深さは、素晴らしい。ふんどし姿、最高に素敵でした。
吹石一恵ちゃんの美しさたるや…ため息ものでした。初舞台とは、思えない舞台の芝居の完成度。あの声は本当にいい!体の使い方、コメディセンス、舞台の方が絶対いいって思いました。

一幕と二幕で、視点を変えて一つの出来事を描くという手法、素晴らしかった。降りしきる雨。傘をさす啄木の姿。雨の音。表裏のタイトル。そして、石川啄木の写真。一気に物語に引き込まれる。二幕を観る時、あんな気持ちで観たのは初めてです。

芥川の『薮の中』のように、真実は結局、語られない。死んだ啄木(ポップアップで登場!)の語った通りなのでしょう。三谷さんの面白さ、私の想像力なんて全く意味なし。

この作品を実現するために、竜也と勘太郎くんが三谷さんに直接頼んだそうです。それを受けて三谷さんは「本は書くし演出はするけど、あなたが会社を説得しなさい」と言った。そして、竜也は説得した。これって、凄い。芝居を作るって、こういう事だと思う。竜也は、作る人になったんだ思う。尊敬するし、めちゃくちゃ嬉しい。これからの藤原竜也、もっと面白くなると確信しました。

あ、芝居前の場内アナウンス、三谷さん(ボケ)×野田さん(ツッコミ)の漫才でした。そんなとこまでも、最高!
それから、今日は勘太郎くんがパパになった記念すべき日。ということで、カーテンコールで三谷さんマイクを持って登場。オイシ過ぎ。さすが、演出家。さすが、三谷幸喜。

この芝居、もっと書きたいことが後からで来ると思いますので、またきっと追記します。
by kyoko_de_la_paz | 2011-02-22 23:31 | play