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光も影も


by kyoko_de_la_paz
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絶対的な安定感

ラッパ屋第36回公演『YMO〜やっとモテたオヤジ』
脚本・演出 鈴木聡
紀伊國屋ホール

今年から来年にかけて頑張るラッパ屋。笑って笑って、最後にホロリとしてしまう世界は、やっぱり素晴らしかった。やっぱり、劇団力の最高峰です。



鈴木戯曲の醍醐味とは「地味な人々の人生を考えることが人間の真の幸福を考えること(公演チラシより)」だと思うのです。
主人公のオヤジと彼を取り囲む人々は、みんな“いい年こいた大人”。その人達が、思いがけない出来事に出会って、人生に迷って決断して変わっていく。それは、客席に座る私達の毎日と重なっている。なんとなくぼんやりと見えている未来。希望に輝くよりも、そこに辿り着くためにするべきことが山積みのように見える未来への道。そして、振り返れば、歩いて来た道があり後悔することもある。でも、人生っていつ何があるかわからないのも真実なんだと思う。その人生の中の奇跡を信じてみるのは悪くない。どう生きたかなんて、死ぬその瞬間までわかんないいんだから、その奇跡を信じてみよう。登場人物の一人一人が、鈴木さんの言葉が客席の私達に寄り添ってくれる気がする。
舞台セットと場面展開は、いつになくスタイリッシュなのに、あくまでも場面設定は「富士そば」「ドトール」「東京の町」というのも、素晴らしく面白い。
客席にいるのは、私よりも年上の“いい年こいた大人”達。その空間の安心感もラッパ屋の醍醐味だと思うのです。
by kyoko_de_la_paz | 2010-12-21 23:05 | play